椎名林檎トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」レビュー
椎名林檎さんのトリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」を購入しました!!
今回は収録曲の内容を紹介しようと思います!!
一曲目
theウラシマ'S / 正しい街
Produced by 亀田誠治
Dr. 鈴木英哉 from Mr.Children
Gt. 喜多建介 from ASIAN KUNG-FU GENERATION
Ba. 是永亮祐 from 雨のパレード
無罪モラトリアムの一曲目で発表された「正しい街」が活動20周年を祝すこのアルバムのトップバッターを飾り、当時のプロデューサー亀田誠治さんの手によってリメイクされたのはファンにとってとても嬉し懐かしであると思います。
当時の椎名林檎作品のように激しさを前面に出すのではなく、プレイヤーの特性、「王道」を前面に演出している印象をうけます。
特に曲の場面が変わる部分のフィルが鈴木英哉らしさを前面にだす、シンプルで王道な印象が曲を一層、一曲目を飾るにふさわしい作品となっていると感じました。
また、無罪モラトリアムの正しい街のベースは亀田誠治さんが演奏されていますが、今回のトラックのベースは打って変わって動きの少ないベースラインで、そちらもより一層「王道」という雰囲気を出していると感じました。
二曲目
こちらも無罪モラトリアムで発表された曲で、東京事変や他アーティストがカバーした作品も多く、椎名林檎の代表作品を宇多田ヒカルと小袋成彬がカバーした作品です。
よくジャズやボサノバ調でカバーされる印象のある曲ですが、近年の宇多田ヒカルらしい、ピアノとリズムトラックをベースにボーカルを聞かせるためのトラックとしてアレンジされていると思います。
すごく印象的なフレーズが、二番が終わり間奏後「青噛んで熟って頂戴 終電で帰るってば 池袋」の部分で宇多田ヒカルがドラムがなくなり歌がとても目立つ場面でロングトーンをビブラートしなかったことです。恐らくそこ以外が自然なビブラートをしていたので意図的にビブラートしなかったと思われます。つまりはそこが味です。
また、曲が終わって20秒くらいスタジオの収録後音が入っています。何を意図されているかはわかりません(笑)
三曲目
レキシ / 幸福論
こちらも無罪モラトリアムで収録された曲ですね。またデビューシングルでもあります。
これまでの草野マサムネや宇多田ヒカルもそうですが、レキシはきらきら武士で所縁のあるアーティストです。
無罪モラトリアムでの幸福論(悦楽編)とは打って変わってポップさを出したナンバーで、レキシらしいトラックであると思います。
全然原形のないアレンジで、むしろこれはこれでいいのだと思います。「幸福論」という曲名もあり幸福になれるような音楽を目指されたのではないでしょうか。
四曲目
MIKA / シドと白昼夢
こちらも無罪モラトリアムで収録された曲です。ボサノバ調の英詩の異文化漂うナンバー。
五曲目
藤原さくら / 茜さす帰路照らされど・・
こちらも無罪モラトリアムで収録された曲です。アレンジャーとして青春の瞬き(椎名林檎版)を手掛けた冨田恵一が起用されている。
恐らく表面上は藤原さくらをクレジットとしているが冨田恵一作品として価値のあるトラックであろうと思います。曲調が冨田恵一を表現しています。
六曲目
田島貴男(ORIGINAL LOVE) / 都合のいい身体
ちょこちょこ入ってくるギターフレーズが味のあるプレイの光る曲。
男性ボーカルということや、アレンジもフルオーケストラからバンドサウンドへということもあり、原曲とはまた違った感じが味わえます。
七曲目
木村カエラ / ここでキスして。
vocal: 木村カエラ
bass: 亀田誠治
piano: 伊澤一葉
drums: BOBO
という豪華な面子。ポイントは絶対意図的であるギターを使用しなかったこと。当時の椎名林檎のようにギターをかき鳴らし~という考えから引き算をした編成。
その分亀田誠治のベースは当時より歪んでいるのではないでしょうか(笑)
力強くpopさも毒っぽさもある木村カエラの歌と、ベースプレイヤーとしてギター以上に暴れまくる亀田誠治、ストレートなアプローチをしない伊澤一葉、それを賢く支えるbobo。そういった印象を受けました。
八曲目
三浦大知 / すべりだい
三浦大知らしい歌唱が光るナンバー。間奏のバツバツときったシンセも印象的です。また2番aメロのジャズ調のそれらしさも懐かしさを感じます。
九曲目
RHYMESTER / 本能
ただコードを、主旋律を、歌詞をリズムを取り込んでリアレンジするのでなく、まったく違う作品なのではと思います。(いい意味で)
細かいところにこだわっていてとても素晴らしいトラックだと思います。
十曲目
AI / 罪と罰
原曲よりシンコペーションをし、ブラックなタイム感の演出や、何重にも重ねたコーラスからくる情緒的な表現が味です。演歌(調)からゴスペルへ。
最後のコーラスワークはまるで映画のクライマックスかのような音像です。
十一曲目
最近は南国テイストの強い楽曲を発表しがちな井上陽水さん。今回の楽曲はトランスやフラメンコギターが活躍している印象です。
椎名林檎が書く抽象的な歌詞をうまく歌いあげている印象を受けました。
十二曲目
とても可愛らしいナンバー。しかしただのアイドルpopsでは収まらず、サビでのコーラスワークは素晴らしい仕上がりです。
十三曲目
LiSA / NIPPON
演奏者のクレジットはこちら。
vocal LiSA
guitar PABLO(Pay money To my Pain/POLPO)
bass ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)
accordion 小春(チャラン・ポ・ランタン)
piano 渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)
原曲はギター3本でオーケストラアレンジの編成ですが今回はそう言った+αの部分をアコーディオンが補っている印象です。LiSAさんの高い歌唱力が素晴らしいです。
また椎名林檎さんのNIPPONはファルセット多め、ボーカルのダブリング、ストリングアレンジなどから高貴さを感じる部分が大きいです。比較してLiSAさんのほうは若々しく、活気溢れるアレンジメントだと思いました。
十四曲目
松たか子 / ありきたりな女
素晴らしいです。
サビの「あ~」の部分、松たか子さんの声量により音が割れています。一般的にはそれは悪いことですが恐らくあえてそれを商品としています。そこが味なのです。力強さが、思いが、そのノイズに表れています。このアルバムを締めくくるにふさわしい一曲だと思います。
また頭拍ノリの雰囲気の演出も総合的に素晴らしいです。
以上が大まかですが各トラックに感じたものです。
いろんなジャンルから豪華なアーティストや演奏家がそろっています。椎名林檎20周年を感じる素晴らしい内容でした。
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